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Vベルトの早期故障とトラブルシューティング

早期破損要因とその対策

1. スリップ
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・ベルト張り不足
・オーバーロード(ベルト本数不足)
・プーリとの接触角度が小さい
・油や水等の付着
処置:・適正な張りを与える。
・ベルトの形を大きくする、または
 掛け本数を増加させる。
・適正なアイドラプーリを緩み側に
 取り付ける。
・プーリシャフトの平行度を修正する。
・油や水を完全に拭き取る。ベルトカバー
 を取り付けて付着を防止する。
2.早期破断
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・負荷変動、ショックロードが大きい
・負荷プーリのロック
・異物噛み込み
・オーバーロード(ベルト本数不足)

・熱が高く屈曲疲労が大きい
 
- プーリ径・曲げ角度が小さい
 - 回転数が最大
処置:・ベルトの形を大きくする、または
 掛け本数を増加させる。
・放熱の処置を取る。
 設計変更(プーリ径、曲げ角度、回転数
 の変更等)をする。
3.亀裂
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・ベルト張り不足によるスリップ
・高温下での使用
・過小なプーリ径での使用や背面
 テンションによる逆曲げ角度が厳しい
・直射日光が当たる

処置:・適正な張りを与える。
・放熱の処置を取る。
・設計変更を検討する。
・ベルトカバーを取り付けて直射日光を
 遮断する。
4.底割れ
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・テンションプーリが小さい
・逆曲げ角度が小さい
・張力不足によるスリップ摩耗

処置:・テンションプーリ径を大きくする。
・曲げ角度を緩める。
・適正な張りを与える。
5.摩耗
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・プーリ溝の錆や仕上不良(溝面の粗さ)
・ベルト張り不足によるスリップ
・過大負荷によるスリップ
・ミスアライメントが大きい
・プーリ溝 異常(角度・形状・傷)
処置:・プーリ溝面を均等に仕上げる。
(推奨面粗度:Ra=6.3a以下) 

・適正な張りを与える。
・ベルトの形を大きくする、または掛け
 本数を増加させる。
・アライメントを1/3°以下に修正する。

・プーリを取り換える。
6.過大な振動
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・共振
・多本掛けのベルト長さ不揃い

処置:・取付張力をあげる。
・使用回転数を調整する。
・アイドラプーリ追加、軸間距離変更等に
 よってスパン長を変更する。
・多本掛けのベルト取り換えは、一度に
 全量取り換える。
 (マルチタイプのご使用を推奨します。)
7.剥離
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・テンションプーリが小さい
・逆曲げ角度が小さい
・ベルト張り不足によるスリップ

処置:・テンションプーリ径を大きくする。
・曲げ角度を緩める。
・適正な張りを与える。
8.異音の発生(スリップ音)
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・急停止、急起動での使用
・ベルト張り不足
・オーバーロード
・ベルトの選定間違い

処置:・設計変更を検討するか、運転パターンの
 見直し(緩やかな急加減速)の検討を
 行う。
・適正な張りを与える。
・ベルトの形を大きくする、または掛け
 本数を増加させる。
・使用条件に合った適切なベルト仕様、
 形、掛け本数を選定し、アイドラプーリ
 の取り付けで適切な張りを与える。
・多本掛けのベルト取り換えは、一度に
 全量取り換える。
 (マルチタイプのご使用を推奨します。)
9.ベルトの転覆
イメージ 要因 処置
イメージ: 要因:・過大負荷の常時入力
・多本掛けのベルト長さ不揃い

処置:・ベルトの形を大きくする、または掛け
 本数を増加させる。
・多本掛けの場合はマルチタイプへ変更
 する。